埴生護国八幡宮の東方、石動駅南の綾子地方には「願念坊踊り」といわれる念仏が古くより伝わっている。 踊りは、黒染の法被をまとい、ねじり鉢巻きになわ帯をして、手甲・脚絆に草履ばきの坊主が、二重のかさの上にご弊を飾り、かさのめぐりに赤や青の幕を吊るして造花をつけ、棒に「願念坊主」「天下泰平」「豊年満作」を書いた行灯をつけた「ダシ」を持ち、その後に同じ法被ををつけた坊主達と、長じゅばんに白鉢巻、手甲、脚絆に相撲の化粧まわしのような前かけ姿の数名の男の踊り手が出て、ドラ・太鼓・尺八・三味線・胡弓の囃子いのって身振り面白く踊るもの。 毎年秋(9月第一土曜日)の村社太田神社祭の時、境内にて行われる。 昭和40年に小矢部市無形文化財に指定され、また昭和59年には保存会が、越中五箇山麦屋節保存会や民謡おわら保存会などと共に富山県郷土芸能保存団体に指定された。 昭和48年に東京国立劇場で上演するなど、各地に招かれて多くの上演をしており、富山県の代表的な踊りである。